先に言うハイスタだけがメロコアじゃない。

「90年代のメロコアといえば?」

この質問に対して、ほとんどの人がHi-STANDARDと答えると思う。

間違ってない。ハイスタは日本のメロコアシーンを作った伝説のバンドだ。

でも、ハイスタだけを聴いて「メロコア聴いてる」って言うのは、ちょっともったいない。

今日は、ハイスタと同時代に活躍したSHERBET、REACH、THUMBという3組のバンドについて深掘りしたい。

この3組、実は深い繋がりがある。知れば知るほど、90年代メロコアシーンの奥深さがわかる。

SHERBET(シャーベット):伝説の始まり

基本情報

結成:1994年頃
解散:1997年
メンバー:
– 渡辺誠(Gt, Vo)- ハイトーンボイス担当
– 岡田洋介(Ba, Vo)- 太い声担当
– 片山豊(Dr)

所属レーベル:PIZZA OF DEATH RECORDS

なぜSHERBETは伝説なのか

SHERBETは、PIZZA OF DEATH RECORDS第3弾アーティストとしてデビュー。

プロデュースはハイスタの難波章浩。

1996年にリリースしたセルフタイトルアルバム『SHERBET』は、当時のメロコアキッズなら「絶対持ってた」と言われるほどの名盤。

何がすごかったのか?

それは、ツインボーカルのコントラスト。

渡辺のハイトーンボイスと、岡田の野太いダミ声。この2つが交互に、時には重なり合って歌う。

聴いてて上がる。鳥肌が立つ。

他のメロコアバンドにはない「変化球」を投げるタイプで、スカのリズムを取り入れたり、ドラムのコーラスが入ったりと、一味違うサウンドだった。

伝説の短さ

SHERBETの活動期間は、わずか約3年。

アルバムもたった1枚。

1997年、人気絶頂の中で解散した。

「え、これだけ?」と思うかもしれない。でも、その1枚が12曲27分の完璧なアルバムだった。

当時のレビューには「世界で一番短く感じる27分」と書かれている。

短いからこそ、伝説になった。

代表曲

– 「Don’t disturb my way」
– 「Don’t leave me alone」(スカが入る名曲)
– 「Summer beach」(夏に聴きたい疾走感)
– 「Your Choice」(解散直前の名曲)

残念ながらサブスク未解禁。CDを探すか、YouTubeで公式音源を探すしかない。

解散後、2つのバンドが生まれた

SHERBETが解散した1997年、メンバーはそれぞれ新しいバンドを結成する。

渡辺誠 → REACH
岡田洋介 + 片山豊 → THUMB

つまり、SHERBETのツインボーカルが分裂して、2つのバンドになった。

ファンにとっては「別れた2人の行方を追う」みたいな感覚。

どっちも聴きたい。どっちも追いかけたい。

REACH(リーチ):ハイトーンの系譜

基本情報

結成:1997年
活動休止:2003年
メンバー:
– 渡辺誠(Gt, Vo)- ex.SHERBET
– 大久保智(Ba)- ex.GREEN GIANT
– 柏倉隆史(Dr)- ex.DAMAGE

REACHの特徴

渡辺誠のハイトーンボイスを引き継いだバンド。

結成直後から話題沸騰。

なぜなら、メンバー全員がすでに実績のあるバンド出身だったから。

音源がまだ何も出ていない状態で、ライブはソールドアウト続出。

海外バンドの前座に抜擢

結成間もないのに、NO FUN AT ALL、SICKO、DANCE HALL CRASHERS、BRACKETなど、海外バンドのオープニングアクトに抜擢された。

これは異例のこと。

音源なしで、ライブだけで認められたバンド。

音楽性の変化

初期は王道メロコア。渡辺のハイトーンボイスが炸裂する疾走感のある曲。

でも、徐々にロック色が強くなっていった。

エモやオルタナの要素も取り入れて、より深みのあるサウンドへ進化。

メンバーの「その後」がヤバい

2003年に活動休止した後、メンバーはそれぞれ活躍を続けている。

特に柏倉隆史。

– toe(日本を代表するポストロックバンド)
– the HIATUS(細美武士のバンド)
– 木村カエラのバックバンド

90年代メロコアから、日本の音楽シーンの第一線へ。

REACHは、そんな才能が集まっていたバンドだった。

THUMB(サム):野太い声の系譜

基本情報

結成:1997年
解散:2002年
メンバー:
– 岡田洋介(Ba, Vo)- ex.SHERBET
– 羽沢進(Gt, Vo)- ex.GREEN GIANT
– 片山豊(Dr)- ex.SHERBET

所属レーベル:PIZZA OF DEATH RECORDS(1997-2000)

THUMBの特徴

SHERBETで「野太い声」を担当していた岡田洋介が中心。

ハイスタと共にライブハウスシーンを席巻。

実は、ゴリゴリのメロコアファンの間では「ハイスタよりTHUMB派」という人も多かった。

岡田洋介のハスキーボイス

THUMBの最大の武器は、岡田のハスキーボイス。

好き嫌いが分かれる声だけど、一度ハマったら抜け出せない。

力強くて、熱くて、魂がこもってる。

「遊び心」のあるサウンド

THUMBの音楽は、ただ速いだけじゃない。

ギターの羽沢は遊び心満載のリフが特徴。
ドラムの片山も遊び心満載のフィルが特徴。

疾走感の中に、聴いてて楽しくなる仕掛けがたくさん仕込まれている。

音楽性の変化

初期は勢いのあるメロコアサウンド。

でも、2000年のミニアルバム『even so』あたりから、エモい方向へ変化。

メロディを軸とした、渋めのサウンド。これがまた良い。

2014年に復活ライブ

2002年に解散したTHUMBだけど、2014年に復活ライブを行った。

同年にはツアーも開催。

当時のファンにとっては、涙モノの復活だった。

そして、再び合流へ ─ SLIME BALL

物語には続きがある。

2004年、渡辺誠を中心にSLIME BALLが結成される。

そこに、岡田洋介と片山豊が加入。

SHERBETの3人が、再び同じバンドで演奏することになった。

2006年には1stフルアルバム『THE POINT IN TIME』をリリース。

時を経て、あのツインボーカルが帰ってきた。

なぜ今、この3組を聴くべきなのか

ハイスタは確かにすごい。日本のメロコアを作った。

でも、ハイスタだけを聴いていたら、見えない世界がある。

SHERBET、REACH、THUMBを聴くと、90年代メロコアシーンの横の繋がりが見えてくる。

– バンドが解散しても、メンバーは新しいバンドで活躍し続ける
– 同じレーベルのバンド同士が影響し合う
– 「シーン」全体で音楽を作っていた時代

それが、90年代のインディーズシーンだった。

まとめ:ハイスタの次に聴くべきバンド

もしあなたがハイスタを聴いて「もっとこの時代の音楽を知りたい」と思ったなら。

SHERBET、REACH、THUMBを聴いてほしい。

特にSHERBETは、アルバム1枚しかないから、すぐに全曲聴ける。

そして、そこからREACHとTHUMBに進む。

1つのバンドから、2つのバンドへ。

その流れを追いかけるだけで、90年代メロコアの深さがわかる。

ハイスタもいいけど、SHERBET・REACH・THUMBもね。

マジで。

ではまた。