あの有名なMusic Videoの撮影場所は廃墟だった。
こんにちは、monaです。
好きなアーティストのMusic Video、気付いたら何度もリピートしちゃいませんか?
歌詞を追うでもなく、ただ映像を眺めてる時間。そんな中でふと頭をよぎるのが、
「ここ、どこで撮ってるんだろう?」
もっと言うと、
「あれ?このロケーション、別のアーティストのMVでも観た気が……」
そんな”既視感”の正体を突き止めてみたら、長野県軽井沢の、ある廃墟に辿り着きました。
正体は、軽井沢の森に眠っていた幻のホテル
その場所の名は 「浅間モーターロッジ」。長野県軽井沢町追分、国道18号線沿いの森の中にひっそりと佇んでいた、今はなき廃墟ホテルです。
- 竣工: 1964年(昭和39年)
- 設計: 海老原建築設計事務所(海老原一郎ほか)
- 所在地: 長野県北佐久郡軽井沢町追分
- 解体: 2014年より開始、現在は完全に更地
“モーターロッジ”という名前の通り、元々は車文化と結びついたホテルでした。エントランス前のガレージにはクラシックカーが展示され、高級車をレンタルできるサービスも提供していたそうで、当時の軽井沢のホテルの中でも料金は高めだったとか。
レンガ積みの外壁、曲線を多用したモダンなデザイン、円形の棟——1964年当時としてはかなり先進的な建築だったようで、森に抱かれた独特の佇まいは、廃墟になってもなお”絵になる”存在でした。
やがて経営は傾き、保養所を経て完全に廃墟化。すると今度は、ミュージシャンたちがこぞってMVの撮影にやって来る場所へと姿を変えていくのです。
浅間モーターロッジで撮影された名曲たち
スピッツ / スターゲイザー
この記事の結論から先に言ってしまうと、浅間モーターロッジを一躍有名ロケ地にしたのは、間違いなくスピッツのこの曲です。
2004年発売、フジテレビ『あいのり』の主題歌としてオリコン1位を獲得したスピッツ屈指の名曲。PV監督はUGICHIN、女優の伊藤裕子が出演しています。
廃墟と化したホテルの中を漂うような映像は、曲の切なくグルーヴィーな空気感と驚くほど馴染んでいて、一度観たら忘れられない1本です。
SpecialThanks NO NAME SONG
当時「和製アヴリル・ラヴィーン」と評されたガールズバンド。メンバーチェンジを経て、今やカッコよさと可愛さを両立したバンドに進化しています。疾走感のあるパンクロックと、廃墟の無機質さの相性が抜群。
PAN オアシス
PANらしい遊び心が爆発している1本。なんとこのMV、逆再生で撮影されているんです。廃墟という舞台設定にこの演出を組み合わせてくるあたり、ただ者じゃありません。
Smash up MY SONG
パンクバンドなのに驚くほどポップで聴きやすい、リピート必至の1曲。現在も精力的にライブ・音源制作を続けている現役バンドです。
その他にも、こんなアーティストが
- PIERROT(MY CLOUD)
- ジャパハリネット
- banbi
- FACT
- MY SUMMER PLAN
……こうして並べてみると、インディーズのパンク/ロックバンドからメジャーの大御所まで、ジャンルを超えて愛された撮影地だったことが分かります。
廃墟という非日常感、レンガ造りの独特な質感、軽井沢の森という立地。アーティストの世界観を引き立てる要素が揃っていたからこそ、ここまで多くのMVが撮られたのでしょう。
そして、この場所はもう存在しない
2014年、浅間モーターロッジは解体工事が始まり、その姿を消しました。
築50年。バブル以前の昭和の別荘文化を象徴するモダン建築が、廃墟として第二の人生を経て、最終的に更地に戻る——そのすべての時間の中で、音楽の映像作品という形で痕跡を残していったのは、なんとも運命的な気がします。
廃墟マニアや心霊スポットとしても有名だった一方、落書きや荒らしの被害もあったとのこと。解体もやむを得なかったのかもしれません。

まとめ
もう浅間モーターロッジは存在しません。でも、ここで撮られたMVはYouTubeやサブスクで今も観ることができます。
あなたの好きなアーティストのMVに、もしレンガ造りの廃墟っぽい建物が映っていたら——それはもしかしたら、かつて軽井沢の森に佇んでいた、あの浅間モーターロッジかもしれません。
建物は消えても、映像の中では永遠に残り続ける。
MVって、やっぱりいいものですね。
ではまた。

