こんにちはmonaです。

テレビ観てて、ふと流れてきた洋楽に「あれ、この曲めっちゃカッコいいぞ」となった経験、ある人多いはずだ。

サビが頭に残って、洗濯物干しながら無意識に口ずさんでいる。シャワー浴びてる時に「あの曲なんだっけ」と思い出そうとして、結局Shazamにかける。で、調べた瞬間、衝撃を受ける

え、この曲、◯◯のあの有名なバンドだったの?

そう、あなたが知らずに大好きになっていた曲、実はロック史に名を刻む名曲だった——CMで洋楽に出会うって、そういう不思議な体験だ。「曲は知ってるけどバンド名知らない」って、ある意味で最高の伏線回収である。

今日は、そんな「CMで聴いたあの曲、実は超有名バンドだった」というパターンの洋楽を6曲紹介する。あなたも一度は耳にしているはずの、隠れた名曲たちだ。

Jimmy Eat World / Sweetness

これ、覚えている人多いはず。アサヒスーパードライのCMで流れていた、あの疾走感全開の曲。

Whoa-oh-oh-oh-oh!」というハイトーンの叫びから始まって、バンド全体が爆発するように一気にかき鳴らす。CMの15秒で完全に持っていかれる、超パワフルなナンバーだ。

曲を作っているのは、アメリカ・アリゾナ州出身のJimmy Eat World。世界で最も商業的に成功したエモバンドのひとつと言われている、エモシーンの大御所だ。エモって書くと「あ、感情的に泣くやつ」と思われがちだけど、彼らのサウンドはむしろメロディックパンクとオルタナティブが融合した、めちゃくちゃキャッチーなロック

ボーカルのジム・アドキンスの声、歪んだギターの上で泳ぐようなハイトーン。これがビールのCMにバチッとハマっていた。「仕事終わりにビール飲んで、明日もまた頑張ろう」みたいな空気と、Jimmy Eat Worldの突き抜けた疾走感は、不思議と相性が良い。

この曲が収録されているアルバム『Bleed American』(2001)は、エモシーンを代表する1枚として今でも語り継がれている。CMきっかけでJimmy Eat Worldに出会えた人は、めちゃくちゃ運がいい。アルバム全曲、サビの破壊力が異常なので、ぜひ聴き込んでほしい。

Manic Street Preachers / Everything Must Go

これもアサヒスーパードライ。アサヒさん、洋楽ロックの趣味よすぎる。広告代理店の音楽担当に、相当ロックに詳しい人がいたとしか思えない選曲。

Manic Street Preachers——通称マニックス。イギリス・ウェールズ出身のロックバンドで、英国ロックシーンでは「伝説」級の存在だ。1986年結成、ロックの本物中の本物。

「Everything Must Go」は、1996年にリリースされた同名アルバムのタイトルトラック。壮大なストリングス、ジェームス・ディーン・ブラッドフィールドの突き抜けた歌声、希望と諦めが混じった歌詞——「全てを手放して前に進むしかない」という曲のメッセージが、CMの中で日本のサラリーマンに刺さっていた。

このバンドを語る上で外せないのが、初期メンバーだったリッチー・エドワーズの存在。1995年、突然失踪し、現在も行方不明のまま。失踪の謎は今もファンの間で語り継がれている。ロック史に残る最大級のミステリーだ。

そしてマニックスは謎に親日家でもある。アルバム『RESISTANCE IS FUTILE』(2018)のジャケットには侍が描かれていたり、来日公演を頻繁に行ったりしている。気軽にライブで観られる伝説のバンドって、世界的にもなかなか珍しい。

Blur – Song 2

Woo-hoo!

これ。聞いたら絶対に「あ、この曲」となる、超有名なシャウトから始まるあれ。GYAO(懐かしい)のCMで、めちゃくちゃ印象的に流れていた曲だ。

歌っているのはイギリスのBlur90年代ブリットポップシーンの代表格で、Oasisと並んでイギリスを代表するバンド。デビュー当初は「ビートルズの再来」と言われ、その後オルタナへ振り切り、エレクトロニカに挑戦し、音楽性を変え続けながら30年以上トップを走り続けている怪物バンド

「Song 2」は1997年のアルバム『Blur』に収録された、わずか2分1秒のショートチューン。「Woo-hoo!」のシャウトと爆発的なギターリフだけで、音楽史に名を残してしまった異常な曲。CM、スポーツ番組、ゲーム、映画——もう世界中で何回流れたかわからないレベル。

ちなみにBlurはデビュー以降、6作品連続で全英アルバムチャート1位を獲得している。これがどれくらい凄いか説明すると、英国の歴史で同じことができたバンドは数えるほどしかいない。「Song 2しか知らない」って人が多いけど、彼らのカタログは本当に深い。「Song 2」がBlurの代表曲だと思っているなら、ぜひ「Tender」「Beetlebum」「Coffee & TV」も聴いてほしい。世界が広がる

Jet – Are You Gonna Be My Girl

Go!

ベースのシンプルなリフからジワジワ盛り上がって、爆発的なサビへ。これ、iPodの黎明期、白いシルエットが踊る伝説のCMで流れていた曲だ。覚えてる人、絶対多い。

歌っているのはオーストラリア・メルボルン出身のJet。2003年のデビューアルバム『Get Born』が世界中で350万枚以上売れ、一躍世界のスターに。その立役者がこの「Are You Gonna Be My Girl」だ。

正直に書くと、Jetは「Are You Gonna Be My Girl一発屋疑惑」がずっと付きまとうバンドだ。アルバム全曲がカッコいいのに、世間の認知は完全にこの1曲に偏っている。「Jetって、あのiPodの曲のバンドでしょ?」と言われるたび、コアファンは「いや、他にもめっちゃいい曲あるのに……」と心の中で叫んでいる。

でも、それだけのインパクトを残せた曲って、逆に言えば音楽史に残るレベルということでもある。あの「Go!」の一声で、世界中の若者がiPodを買った。アップルのマーケティング史上、最も成功した楽曲タイアップの一つだろう。

「Are You Gonna Be My Girl」しか知らない人は、ぜひアルバム『Get Born』を頭から通しで聴いてほしい。「他にもこんな良い曲あったの!?」となること請け合い。一発屋認定、僕は撤回しに行きたい派だ。

Gorillaz – Feel Good Inc. 

これもAppleのiPod時代のCM。Apple、本当にいい曲使ってた。「あの頃のiPod CM」を集めたら、それだけで最強のプレイリストが作れるレベル。

「Feel Good Inc.」を歌っているのはGorillazイギリスの覆面バーチャルバンドで、メンバーは2D、マードック、ヌードル、ラッセルという全員アニメキャラクター。ライブもアニメーションのキャラクターがステージに登場するという、当時としては超先進的な試みで世界を驚かせた。

仕掛人はBlurのデーモン・アルバーンと、コミックアーティストのジェイミー・ヒューレット。Blurの中の人がやってる別プロジェクトということで、当時の音楽ファンは「え、デーモン何やってるの?」とザワついた。

「Feel Good Inc.」のMVは、空に浮かぶ風車島で2Dがガムを噛みながら歌っている、美しいけど不気味な世界観。ここにDe La Soulのラップが乗って、ヒップホップ・ロック・エレクトロニカが融合する独特のサウンドが完成する。CMでこの15秒が流れると、画面の前で動きが止まる——そういう曲。

ちなみにGorillazは、バーチャルバンドながらグラミー賞を受賞している。アニメキャラクターがグラミーを獲った前代未聞の事件。「実態のないバンドが世界を獲った」という、音楽史的にもめちゃくちゃ面白い存在だ。

Oasis / Whatever

ラスボスはやはりこのバンド、Oasis
なんと3社のCMに連続起用された、いわばCM起用の常連。
トヨタ「マークXジオ」、アサヒビール「アサヒオフ」、大和証券グループCM——日本のCM業界で「Oasisを使えば間違いない」みたいな空気があった時期がある。それくらい広告との親和性が高い。

楽曲「Whatever」は1994年のシングルで、ストリングスを大胆に使った「I’m free… to be whatever I want」というサビが、もう名曲という言葉で片付けるのが惜しいレベルの神曲。

「自由でありたい」という普遍のメッセージと、壮大なオーケストラ的アレンジは、CMの15秒に詰め込んでも完璧に成立する。

Oasisについて語り出すと記事が一本書ける(実際もう一本書ける)。全世界トータルセールス7500万枚以上ビートルズ以降のイギリスを代表する国民的バンドブリットポップ・ムーブメントの王者——肩書きが多すぎて困る。

そして、Oasisと言えば外せないのがギャラガー兄弟の素行の悪さ。兄ノエル(リードギター・ボーカル)と弟リアム(ボーカル)の不仲は、もはやロック界のサザエさんみたいに定番ネタ化している。

インタビューで罵り合う、ライブ前に喧嘩する、舞台でビール瓶投げる、解散の直接的なきっかけがバックステージでの大喧嘩——喧嘩で歴史を作ったバンド

リアムは「Q誌が選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」で第11位にランクインしている。喧嘩っ早いだけじゃなく、ボーカリストとして本当に化け物だ。

歌唱力に対するリスペクトは、世界中のミュージシャンから絶えない。
そして2024年、まさかの16年ぶりの再結成が発表された。世界中のファンが涙したニュース。ギャラガー兄弟、まだやれる

あれ、最近CMでロック聴かない問題

ここまで6曲紹介してきたけど、お気づきだろうか

これらのCM、全部2000年代~2010年代前半のものだ。最近、CMで「お、これ何の曲?」となるロック楽曲、あまり見かけなくなった気がしないだろうか?

これ、僕の気のせいじゃない。CMで使われる音楽の傾向は、確実に変わっている

最近のCMを見ると、起用される曲は:

  • J-POPアーティストのタイアップ曲
  • 楽曲制作会社が作った「CM用オリジナル楽曲」
  • インスト・BGM的な楽曲
  • TikTokでバズったバイラル曲

つまり、「世界的に有名な海外ロックバンドの楽曲を使う」というスタイルは、確実に減っている。理由はいくつかある。

理由①:版権コストの高騰
有名洋楽の楽曲使用料は年々上がっている。BlurやOasisレベルの曲を使おうと思ったら、広告予算の半分が音楽使用料に消えるみたいな状況も起こり得る。

理由②:日本のリスナー層の変化
「洋楽を聴く層」がだんだん少なくなり、CMで洋楽を流しても「何の曲?」と検索する人が減った。それより邦楽アーティストとタイアップした方が、SNS拡散もチャート入りも狙える。

理由③:CMで音楽を「発見する」文化の衰退
昔はテレビが情報源で、CMで知った曲をCD買ったりレンタル屋で借りたりした。今はSpotifyで自動的にレコメンドが来る。CMは音楽の入り口じゃなくなった

これ、ちょっと寂しい。CMがリスナーに与えていた「予期せぬ出会い」って、Spotifyのアルゴリズムでは生まれにくいものだから。アルゴリズムは「あなたが好きそうな曲」を出してくれる。でもCMは、「あなたが知らなくて、でも聴いたら好きになる曲」を、無理やり耳に押し付けてきた。この強制的な出会い、実はめっちゃ尊かった

まとめ——CM音楽との出会いは、現代では希少な体験

長々と書いてきたけれど、結論はシンプル。

CMで偶然流れてきた洋楽が、その後の人生で愛される名曲になる——これは、過去の時代の特権だったのかもしれない。

紹介した6曲は、ただの「CM音楽」じゃない。何百万人のリスナーが、自分の意志とは関係なく、テレビ画面の前で偶然出会った名曲たちだ。Jimmy Eat Worldのハイトーン、Manic Street Preachersのストリングス、Blurのシャウト、Jetのリフ、Gorillazのアニメ世界、Oasisのオーケストラ——これらが日本のお茶の間で流れていたという事実、改めて凄い

もし今、若い世代の人で「CMでロックなんて聴いたことない」という人がいたら、ぜひ今日紹介した曲を順番に聴いてみてほしい。CMで流れていた当時の空気が、わからなくても、楽曲の力だけで何かが伝わってくるはずだ。

そして、もしどれかの曲で「この曲やばい!」となったら、ぜひそのバンドのアルバムを掘ってほしい。CMで使われた1曲は、そのバンドの氷山の一角に過ぎない。深い海の中には、もっと素晴らしい曲が眠っている。

CM音楽との出会いは、現代では希少な体験になりつつある。だからこそ、過去にCMで出会った曲は大切にしたい。「何の気なしにテレビで流れていた、あの曲」——それは、たぶんあなたの音楽人生の、隠れた名場面のひとつだ。

ではまた。